ロワジールホテル クラシックガーデン 京都三条

Vol.2ゲストを迎える日本庭園の正体とは⁉~唯一無二の庭園ヒストリー~

「クラシックガーデン」の秘密

京都を走る2本の市営地下鉄が交わる唯一の駅「烏丸御池」から徒歩1分。京都駅からのアクセスも立地も抜群によい「ロワジールホテル クラシックガーデン 京都三条」ですが、それ以上に特別なものがこのホテルにはあるのです。

ホテルに一歩足を踏み入れると、にぎやかな烏丸通から雰囲気は一転、ゆったりとした空気が流れています。ゲストがまず目にするのは、全面ガラス張りのロビーから眺められる、山茶花や椿、ツツジやモミジなどが植えられた日本庭園。

「クラシックガーデン」というホテル名の由来にもなっているこの庭園こそが、当ホテルの“特別”な場所。なんとここは、平安時代に院政を敷いた鳥羽上皇の邸宅「三条烏丸御所」の庭園があった場所で、今もその遺構が眠っているのです。

貴族たちのサロン

御所の遺構が発見されたのは1987年。京友禅着物の老舗で、この地のオーナーでもある「千總」がおこなった発掘調査により、庭園跡や寝殿造の建物跡が確認されました。

「三条烏丸御所」の最初の記録は11世紀後半、平安時代の中期に遡ります。藤原光子などを経て左大臣・藤原実能に伝領され、庭園は実能が造ったと考えられています。
1129年に白河上皇、鳥羽上皇、待賢門院が本邸宅を訪問。随行した貴族の日記には「眺めがよく地形が風流である。厩に名馬が連なり、川では鴛鴦(おしどり)が遊んでいた」と記されています。鳥羽上皇が気に入ったのでしょうか、実能は邸宅を上皇に献上し、邸宅は「三条烏丸御所」となりました。

日記にある「川」とは、遣水(やりみず:庭園に水を導き入れる水路)のこと。地表約2メートル下から発掘された遣水の遺構は、こぶし大の石がびっしりと敷き詰められたかたちで出土されました。敷き詰められた石は鴨川のもので、粘土を一面に敷いた上から、重ならないよう一つ一つ押し込むように貼り付けてあったことが分かっています。非常に慎重に、丁寧に作業がなされたようです。

平安時代の中期は、優美な遣水や池を配した寝殿造庭園が流行っていました。その庭園で貴族たちは「曲水の宴」を楽しんでいたのです。
「曲水の宴」とは、遣水に盃を浮かべ、流れてくる盃が自分の前を通り過ぎるまでに和歌を詠み、盃の酒を飲むという歌遊び。丁寧に作られた遣水からも、この庭園が貴族たちのサロンだったことが伺えます。

発掘調査で確認された敷石などは、そのほとんどが再びホテルの日本庭園の地面下に保存されていますが、一部は現在も庭園でご覧いただけます。

最澄が彫った!?お地蔵様

「ロワジールホテル クラシックガーデン 京都三条」の庭園には、もう一つ、いわれのあるものが祀られています。

ロビーからその後ろ姿がみえる祠(ほこら)におさめられた2尊の尊像。「千總」には、この尊像について記された、江戸時代末期のものとみられる版木が残されています。

“桓武天皇(在位781~806年)の時代、比叡山を創立した伝教大師・最澄が、地蔵菩薩の尊像を彫刻するよう勅を受け、大師自ら霊木を選び、地蔵尊を彫刻した。また、自らの姿を水に写し、同じ木を使って自像を刻まれた。
その後、織田信長により比叡山延暦寺が焼き討ちに会い、この両尊像は僧侶によって町家に避難された。町家に置いておくのは恐れ多いので他の寺院に移そうとしたが、不思議なことに霊像は石のように動かない。そこで、町内に御倉をつくり、尊像を安置することになった。これが、御倉町の名前の由来となった。その後、京都で起きた2度にわたる大火においても、1864年に起きた「蛤御門の変」で市街地の大部分が焼失した火災においても、御倉は焼失したが、両尊像は炎の中から出現した。”

つまり、祠に祀られている尊像は、天台宗の開祖・最澄が掘ったお地蔵さまと、最澄の自像だというのです。
後に、仏像の大部分は鎌倉時代に造られたものと鑑定されましたが、御倉町ではずっと、不思議な地蔵尊として大切に祀られてきました。今でも毎日、「千總」の従業員がお参りをし、8月末の地蔵盆には厳かな読経があげられています。

お地蔵様が祀られている祠

ホテルで庭園を楽しむ

この由緒ある日本庭園を宿泊ゲストがお楽しみいただけるのは、ホテルのロビーと「庭園食堂」。

全面ガラス張りの「庭園食堂」では、何種類もの焼きたてパンや卵料理、京都のおばんざいなど、こだわりが詰まった和洋ビュッフェの朝食をご用意しています。なかでも、庭園をイメージした新鮮野菜のサラダは、当ホテルならではの一品です。

日本庭園を眺めながら朝食を

「庭園食堂」の名物、庭園サラダ

また、浴槽につかりながら庭園を鑑賞できる「庭園浴場」もございます。ロビーから見える日本庭園とは別のお庭ですが、風情のある浴場です。

京都の中心地にありながら古都ならではの歴史を感じられる「ロワジールホテル クラシックガーデン 京都三条」で、皆さまをお待ちしております。

ロワジールホテル クラシックガーデン 京都三条LOISIR HOTEL CLASSIC GARDEN KYOTO SANJO
〒604-8166 京都市中京区三条通烏丸西入御倉町80番地
TEL:075-746-3122